台湾資料

展示風景  -資料展示室- 

小川・浅井コレクション
ここでは、小川尚義と浅井恵倫の収集品をご覧に入れます。それらの中には、今日では消滅してしまった民族の言語や文化の貴重な記録が多数含まれています。また、当時、現地の言語がどのように記述され、その後の現地の言語の表記にどんな影響を与えたのかも、知ることができます。展示室では、文書資料以外にも、フィルムや音声、写真などによって、当時の台湾をより多面的に理解することができるでしょう。
ごあいさつ
台湾原住民とは 小川尚義 浅井恵倫 浅井と構造言語学 台湾原住民社会の変容
浅井恵倫映像資料
日本時代の原住民族言語の採集と記述
浅井恵倫フィルモグラフィー 日本統治時代における台湾原住民の社会と文化
「理蕃」と原住民言語
原住民言語のカタカナ表記
現地語文書 新港文書
未来になりつつある現在 ラウンジへ 音源資料
安倍と小川 浅井のウサギ小屋
浅井恵倫写真資料
昭和四十一年三月二十一日 患難ノ時 全力ヲ捧ケテ 調査シタモノ
[展示について] もはやこの世にただ一点きりしか存在しない貴重な資料を、これからも永く保存してゆくため、この展覧会ではレコード盤を蓄音機にのせて回したり、フィルムを映写機にかけてまわすことができませんので、そのかわりに音声と映像の方を回転させています。これは、みんなで輪になって円を描きながら踊るタイヤルのダンスにヒントを得て思いついたものです。これによって、かつてこうした資料を「再生」するのに使われていたターンテーブルやフィルムリールの回転する様子を感じていただけたら幸いです。なお、浅井が台湾でフィールド・レコーディングしたモノラル音源資料はデジタル・ステレオ変換した上で、臨場感のある5.1 サラウンドシステムで再生しています。無類の「新しモノ好き」だった、といわれる浅井ならきっとこういう新しいモノに興味をもち、積極的にとりいれたはずだと思うからです。また展示室の隅に置かれた古い机や引き出し、蓄音機は、小川や浅井が資料の保管に実際に使っていたものではなく、それらをイメージしていただくと共に、その中を空っぽにして置いておくことで、「資料公開」ということを視覚的に表現したものです。今回のこの展覧会をきっかけに実物が収集され、いずれ「台湾資料」の本格的なアーカイブがつくられることを願っています。

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