台湾資料

  台湾原住民とは
 台湾原住民とは   台湾原住民の二大分類   十二族 


 台湾原住民とは 

台湾原住民は、2004年末で人口約45万人 (行政院原住民族委員会「原住民族群人口數統計表」)台湾の総人口約2,100万人と比べると、全体の2%ほどです。
言語学的には、オーストロネシア語族に属していますが、その言語学的な位置に関しては、学者の間に統一的な定説があるわけではありません。
ただし、他のオーストロネシア諸語で既に失われた古い特徴をよく保っていることから、オーストロネシア祖語からもっとも早く分かれた言語だろうと考えられています。

[オーストロネシア語族の系図]クリックで拡大します。
 
 


十八世紀の原住民の言語分布図




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 台湾原住民の二大分類 

台湾原住民は、大まかに、平埔族と高砂族 (あるいは高山族) のように、 しばしば二種類に区分されます。
これは清朝時代の「熟番」と「生番」の二大分類に淵源があります。
「熟番」とは清朝に帰順した人々、「生番」がそれ以外の中国的な影響を受けていない人々を指しました。
日本の植民地政府もこの区分法を踏襲して、「熟蕃」「生蕃」区分を戸籍に登録させたため、このような分類法が定着しました。
これら台湾に居住するオーストロネシア語族の 細かな、しかも網羅的な、民族分類が研究されるようになったのは、日本統治時代に入ってからです。
原住民の分類は学者によって様々ですが、原住民の内部の民族分類は、原住民自らによるものではなく、あくまで外部の研究者や政府が規定したものです。





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 十二族 
戦後の中華民国政府は、日本時代の高砂族を「山胞」という呼称で呼びましたが、1994年に憲法の中で「原住民」という呼称が正式に採用されました。
公式用語の「原住民」は、厳密には、現在の漢化した「平埔族」は含まないことになります。
しかし、最近では、平埔族の一支とされたカバランが原住民認定を要求し、それが認められるなど、原住民という用語が拡大して使われています。
現在、政府から認定された原住民族は、タイヤル (アタヤル)、アミ、ヤミ (タウまたはタオ)、プユマ、パイワン、ルカイ、ブヌン、ツォウ、サイシャット (サイシヤット)、サオ、タロコ、カバランの十二族です。
本展では、便宜的に「原住民」の語を、台湾の非漢族全般を指して用いています。




【付記】台湾原住民の法的身分と民族別人口統計台湾原住民の法的身分は、現在「原住民身分法」という法律によって保障されています。原住民身分を持つ人は、戸籍と身分証に「原住民族」と明記されています。2001年6月に「原住民民族別認定辧法」という法律が新たに制定され、同時に「民族別登記」が開始されました。民族別登記を済ませた人の戸籍と身分証には、その人がどの民族かが記されることになります。行政院原住民族委員会によれば、現在はその民族別登記の作業が中途段階のため、民族別人口統計の数値は正確なものではないということです。
 




現在公認されている原住民族集住地域分布図













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