台湾資料

展示パネル  -資料展示室- 
 
そもそも世の先学相承血脉する大学の本意といふはあながちに栄華栄耀を好み一生を心安く過すところの名利勝他の義にはあらず只もろもろの人とともにあまねく学を求むる行者となりて一人たりとも真理を求むる輩を繁昌せしむるやうあれかしというばかりよりは更にあるべからず候 然れば今や門を出づる輩一同は学問を堅固の思ひより油断あるべからず候在所にありても学問の本意たがうべからずしばしば會合をいたし学不学を沙汰し或は懈怠の人あらば諭すべきものなり 今はいにしへよりまれなる昇平の時にあひ国恩のかたじけなきことを知り王法をもて本とし仁義を先として国の民として疎略の義ゆめゆめあるべからず別してとつ国の人には非義の次第是なく平和の世界によくよく心うべし かく行住坐臥をえらばず学の道をいそしみ人の道をふみなば彼岸に達すること疑ひあるべからずあなかしこあなかしこ
  
             昭和四十一年三月二十一日  釋恵倫


■次を見る>>