GICASについて

アジア書字コーパス拠点GICASについて

GICASのロゴマーク

GICAS logo

GICASのロゴマークは、ブラーフミー文字の"a"の文字をもとにデザインされています。

GICAS(「アジア書字コーパスに基づく文字情報学の創成」、Grammatological Informatics based on Corpora of Asian Scripts、ガイカス)は、2001年度に文部省の中核的研究拠点(COE)形成プロジェクトとして発足し、その後、制度としては文科省科学研究費補助金特別推進研究(COE)として継続され、5年間の研究期間を終えた2006年より、アジア書字コーパス拠点として東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に置かれている研究拠点の一つである。

GICAS事務局

住所 〒153-8534
 東京都府中市朝日町3-11-1 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所
 IRC内GICAS事務局
電話 042-330-5634 メール gicas@ilcaa.jp

GICASの目的

アジアは、インド系文字、アラビア文字、漢字、ラテン文字、キリル文字など、世界の主要な文字体系がすべて使用されている唯一の地域である。世界で最初に印刷術が生まれた地域でもあり、現在でも多言語組版技術の頂点に立つなど、その文字文化は非常に洗練されている。しかし、これまで文字そのもの、特にアジアの文字を学問対象とする試みは十分に行われてこなかった。その背景には、言語学がもっぱら音声言語を中心的な研究対象とし、書記言語を視野の外に置いてきたこと、および、この分野の研究が依然として西欧主導で行われており、その対象が音素文字(ラテンアルファベット)に偏重していたことがある。

インド系文字系図
アラビア文字文化圏地図
漢字系文字の派生

近時、情報ネットワークが爆発的に進展した結果、英語中心の情報伝達が拡大する一方で、アジア諸言語の独自の文字・表記法による情報発信への需要も高まっている。それに伴い、情報通信メディアとしての文字・その用法について考える際に必要とされる、基本的な参考資料の欠如・共通の学問的基盤の不在が強く認識されて来た。

本研究は、こうしたアジアの文字文化の情報化に対して人文科学的基礎を与え、さらに情報学的視点をも加えた新たな学問領域の確立を目指したものである。

GICASの活動の多くは、書字・書字史の国際的参照拠点(レファレンスセンター)形成の一貫として位置づけることができる。その基盤となるのは、書字(écriture, script)を歴史的基礎から捉え直すために行った、東南アジア、中央アジア、シナイ半島などでの現地調査による画像資料の収集、および、そこに文献学的に厳密な翻刻・注釈を施し、精選を加えて構築したコーパスである。現地調査にはさまざまな困難が伴ったが、原本・原碑文の鮮明な画像の収集のため、敢えて行った。

また、GICASでは、インド系文字史の研究に基づきつつ、汎用性のある文字入力ソフトウェアおよびフォントを開発している。これはアジア諸地域にみられるデジタルディバイドの解消にも資するであろう。

GICASの研究成果

バガン碑文調査(ビルマ)
シナイ半島アラビア石刻文調査
チベット碑文調査(中国)

GICASでは、書字(écriture, script)の歴史的基礎を捉えるため、東南アジア、中国、中央アジア、シナイ半島などで現地調査を行い、原本・原碑文に遡った高精度な電子化画像を収集し、それに厳密な翻刻・注釈を与えて資料体(コーパス)を構築した。さらに、その資料体を材料として、文字と言語の媒介者としての書字の体系の理論化を行い、その歴史的変化を抽象化する文字情報学の共同研究を進めた。

顕著な成果としては、チベット語コーパスに基づく辞書編纂(日本学術振興会賞・日本学士院学術奨励賞受賞) シナイ半島アラビア石刻文集成チャム碑文集成漢字字体規範の歴史的編年のデータベース化(東洋文字文化賞受賞) などがある。これらの業績は、当該研究領域における基盤資料の欠如という問題を解決に導いたという点で各分野への非常に重要な貢献となるものである。

また、Linguistic Survey of India (1904~1928) 、三省堂『言語学大辞典』 など、この分野の世界最大の参考文献のオンライン化にも努力し、文字と書字に関する国際的な参照拠点(レファレンスセンター)を構築した。

これらを基盤として開催した、国際シンポジウム『インド系文字:過去と未来』では、インド系文字の種々の側面について、文字学、および情報通信メディアの視点から、有益な議論を行った。また、その新たな理論基盤に基づく文字入力ソフトウェア およびフォント の開発は、アジア各地にみられるデジタルディバイド解消に寄与しつつある。

研究成果の社会還元も積極的に行ってきた。文字が言語を越境して伝播するさまを辿った「インド系文字の旅」 「アラビア文字の旅」 の二つの展覧会、豊富な図版で最新の学問内容を解き明かす『図説 アジア文字入門』 の出版は、いずれも好評を博している。

成果物の詳細は、「ことば・コーパス」「文字・データベース」「研究用リソース」「GICASの出版物」「展覧会」などをご覧ください。

GICAS成果物一覧

2001~2006年に公刊・公開されたGICASの研究成果(論文、学術辞典の項目、単行本、口頭発表、ネットワーク上で公開しているプロダクト)の一覧です。

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