台湾資料

展示パネル

 今回の「台湾資料」展が開催されるまでには、四年余りに及ぶ月日が流れています。その間、実に多くの方々のご協力をいただきました。ここでは、「台湾資料」展の開催までに到る経緯をご紹介しながら、ご支援いただいた方に、厚く御礼を申し上げます。

 そもそも、「台湾資料」のもととなっている資料群についての問題が浮上したのが、 AA研の府中市への移転についての計画が具体化し始めた二〇〇〇年度に入った頃でした。それまで未整理のまま放置されていた資料を、これを契機にしっかりと整理、分類し、研究資料として使いやすい形にする必要性が叫ばれるようになり、そのための作業がこの頃から始まったのです。これらの資料は、もちろん貴重なものではありましたが、手書きのノートや雑多なメモ、キャプションのついていない写真やフィルムが多く、またその内容を鑑定するには、台湾の原住民の言語や歴史、文化についての専門的な知識が必要であることは、一目瞭然でした。そこで、まず、資料の内容を検討する研究グループを立ち上げて、早速資料の整理と分析を行うこと、また時間の経過を経て劣化しつつあった資料を、誰にでもアクセスできる媒体に変換すること、という二つの目標が立てられました。前者については、二〇〇〇年当時、研究所では、現代世界の多様な研究課題に機動的に対応するため、所の枠にとらわれず、所外から研究代表者を招いて共同研究プロジェククトを立ち上げるという構想がちょうど持ち上がっていたときでした。そこで、その第一号プロジェクトとして、土田滋教授 (東京大学元教授、東京外国語大学AA研元所員) を長とする「浅井・小川未整理資料の分類・整理・研究」プロジェクトが同年十月より開始されました。後者については、当時、情報資源利用研究センター (当時、センター長は、町田和彦教授)のセンター員であった豊島正之所員と三尾裕子が「データベース構築プロジェクト」に応募し、資料の電子化、データベース化に取り組みました。

 この動きに先立つ一九九九年六月、台湾の中央研究院語言学研究所 (当時は「同研究所準備処」) の研究員の李壬癸教授が、初めて本研究所を訪問され、「台湾資料」を実見されました。李教授は、また南山大学人類学研究所 (所長は、ペトロ・クネヒト教授) に保存されている浅井先生から引き継がれた資料もご覧になり、この資料の価値を高く評価されました。そこで、中央研究院語言学研究所、南山大学人類学研究所、AA研の三者で台湾の「財団法人蒋経国国際学術交流基金会」の助成金を得て、共同研究を立ち上げました。この経費により、李教授は年に一〜二回日本を訪問し、AA研、南山大学の資料の精査、資料の整理をしてくださいました。

 二〇〇二年度からは、COE拠点「アジア書字コーパスに基づく文字情報学の創成」 (代表ぺーリ・バースカララオ教授) の中に、三尾裕子が「環中国海(環シナ海)の文書資料の電子化」というプロジェクトを立て、そこでは、現地調査を中心にした写真資料の鑑定を行いました。


 本展覧会は、以上のような長い年月をかけた研究者の共同作業に基づく成果です。また展覧会の展示品やパネルの作成にあたっては、上記に挙げたさまざまなプロジェクトの関係者以外の方々からも、多くの情報を提供していただきました。以下では、本展覧会が開催されるまでに、「台湾資料」に関わってくださった方を列記し、AA研からの謝意を表したいと思います。もちろん、これ以外にも、本学のスタッフや、台湾調査でお目にかかった多くの方々に、ご協力いただきました。紙幅の関係で、全ての方のお名前を挙げることはかないませんが、ここに厚く御礼申し上げます。


「台湾資料」の構築及び展覧会にお力添えを戴いた方々 (敬称略)

◎小川・浅井台湾資料プロジェクトとその成果の展示・公開には、小川尚義・ 浅井恵倫両先学、および、村上直次郎博士の御縁者である次の方々の御快諾を頂戴して居ります。(敬称略)

小川和子 小川克郎 但馬信勝 竹内妙子


◎このプロジェクトには、財団法人蒋経国国際学術交流基金会国際学術合作研究計画「日治時期日本学者対台湾南島語言的調査研究資料」(二〇〇一年七月より  二〇〇四年六月) による研究成果が含まれています。

代表 : 李壬癸 (中央研究院語言学研究所)
アシスタント : 黄秀敏 (中央研究院語言学研究所)
国外共同研究者 : 土田滋 (平成帝京大学)  ペトロ・クネヒト (南山大学人類学研究所)
        クリスチャン・ダニエルス (AA研)  三尾裕子 (AA研)


◎東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)の「所外代表による共同研究プロジェクト」は、「浅井・小川未整理資料の分類・整理・研究」 として二〇〇〇年十月より二〇〇四年三月に行われました。(敬称略)

代表 : 土田滋
共同研究員 : 末成道男 (東洋大学) 笠原政治 (横浜国立大学) 森口恒一 (静岡大学)
      皆川隆一 (慶応義塾高等学校) 清水純 (日本大学) 中西裕二 (福岡大学)
      山本芳美 (都留文科大学) 吉澤誠一郎 (東京大学) 宮岡真央子 (東京外国語大学大学院)
      谷智子 (福岡大学大学院 [当時])  
アシスタント : 高村加珠恵 (東京外国語大学大学院)  顧菲 (東京外国語大学大学院 [当時] )


◎これらのプロジェクト以外に、次の方々に多くの貴重な御教示・御指導をいただきました。(敬称略)

石川豪 (国立台湾大学大学院) 片倉佳史 (フリーライター) 顔奇延(台南県政府文化局)
佐藤好正 (佐藤工房) 下村作次郎 (天理大学) 徐瀛洲 (南方俗民物質文化資料館準備処)
蘇一志 (国立台南芸術学院) 陳文玲 (東京都立大学大学院) 塚本善也 (中国文化大学)
程士毅 (南投県仁愛郷代表会) 鄧相揚 (ルポライター) 中村ふじゑ (執筆業)
野林厚志 (国立民族学博物館) Bagan-Narwee (織物作家) 原英子(岩手県立大学)
堀田喜久 (愛知県植物誌調査会) 安場淳 (台湾原住民族との交流会) 山路勝彦 (関西学院大学)
柳本通彦 (フリージャーナリスト)吉川寛 (中京大学) 羅國派 (台南県大内郷頭社村村長)
李道明 (国立台北芸術大学) 林金坤 (奮起湖大飯店店主) 林建享 (ドキュメンタリー映画作家)
林虹瑛 (東京外国語大学大学院) 国立政治大学台湾原住民族語言教育文化研究中心


◎この展覧会の制作スタッフは、次の通りです。

制作実行委員 : 宮岡真央子 小田昌教  呉得智 (東京外国語大学大学院) 柳宗伸 (東京外国語大学大学院)

アートディレクション+展示構成+ポスター&パネルデザイン: 小田マサノリ 
制作支援 : 君島結 (GICAS) 椎野友美 (APU)
事務局 : 前田珠緒 (GICAS) 三森麻衣子 (GICAS) 

制作協力 : エクセリード・テクノロジー (株)東真 (有)美工
会場施工 : HIGURE 17-15CAS
印刷 : 三鈴印刷
会場ガイド:林由子
WEBデザイン : 鎌田幹子
パンフレット制作:小田マサノリ 鎌田幹子 椎野友美
AA研 : 三尾裕子 (総合指揮) 澤田英夫 豊島正之


本展覧会の開催は、これらの多くの方々の御支援を得て初めて可能となりました。
ここに御芳名を掲げ、深甚の謝意を表します。

二〇〇五年三月


クリスチャン・ダニエルス 豊島正之 深澤秀夫 三尾裕子
(AA研プロジェクト「浅井・小川未整理資料の分類・整理・研究」所内メンバー)