このコーナーでは来場者の方からいただいたご質問やお問い合わせなどににお答えいたします。

「神が線をひいて人が線をうった」というのは、一般に言われているのか?
それとも今回作ったのですか?
このことばは、アジア・アフリカ言語文化研究所で開催されたワークショップ「周縁アラビア文字文化の世界ー規範と拡張2」での、アラビア文字の拡張をめぐる議論のなかで、大阪外国語大学の高階美行氏がぽつりともらされた言葉です。非常に印象深いことばでしたので、高橋氏の了解を得て、本展のポスターやガイドブックなどで使わせていただきました。



アルジャジーラTシャツはどこで手に入るんですか?
本展で展示しているものは、東京の神宮前にあるインディーズ・ブランドのショップ「LOWRIDER」で販売されていたものです。展示しているブラック、ネイビーブルー、グリーンのボディ以外にも、オレンジ、イエロー、カーキ、ブルーなどがありますが、残念ながら現在はもうすべて売り切れのようです。また来シーズンに再発売されるかもしれませんので、次のサイトをチェックされてみて下さい。http://www.star-lowrider.com 。あるいは、インターネットのオークションなどに出品される可能性もありますので、そちらも調べられてみてはいかがでしょうか。



売店のトタン屋根の上のスピーカーから流れている音は何ですか?
南インドの研究をされているインド言語学者の内田紀彦氏にお願いして、フィールド・レコーディングしてきていただいた礼拝の時刻を知らせる時の声(アザーン)です。オーケストラの管楽器のように聞こえるのは、街を走るバスや車が鳴らすクラクションの音です。アザーンを録音したレコードやテープは、数え切れないくらいたくさんあり、スタジオなどで録音されたものの方が当然、音質もよく、また、より深遠で神聖な響きをもっていますが、今回の展示では、人びとが生活する世俗の場の空気にふれていただきたいと思い、あえて街の音や雑音のはいったものを流しています。


ネオンサインの文字と意味を教えてください
左から順に、中国語、ヒンディ語、アラビア語、インドネシア語、となっています。これらは、アジア・アフリカ言語文化研究所が研究している多くの言語のうち、アジアで特に広く使われている言語で、アラビア語で「あいさつ」と「平和」を意味する「サラーム」を各言語に翻訳したものです。今年度から国立大学法人となって、これからよりいっそう社会との関わりを深め、社会にむけて情報を発信してゆこうとするアジア・アフリカ言語文化研究所の姿勢を示すものとして、外にむかってひらかれたラウンジに展示しています。


背中に荷物をしょったクマのぬいぐるみはどこの国のものですか? ?
あのくまはこの展覧会のマスコットとして制作したものです。布地はサウジアラビアのもので、マフラーはアフガニスタン製、おまもりはパキスタン製です。名前は特にありませんが、先頃、亡くなったアラファト議長が生前よく身に着けていたターバンの柄にどことなく似ているので、「アラファトくん」とか「トラベリングベア」という愛称で呼んでいます。なお、今回の展覧会を開催するにあたり、企画の段階で「規範」として参考にした展覧会があります。昨年、ヴェニス、エジプト、レバノンなどの国際現代美術展で巡回展示された「現代アラブの表象展」がそれです。これは「同時代のアラブ社会をどのように表現するか」という問題に正面から取り組んだ大変意欲的な展覧会でした。絨毯をベンチにした展示はこの展覧会での展示を手本にしています。同じく、その展示では絨毯のペンチの上にアラビア風の柄のクッションが置かれていて、来場者がそこでくつろげるようになっていました。くまのぬいぐるみや抱き枕はこのクッションのアイデアをさらに「拡張」したもので、ただ手でふれるだけでなく、そのそばによりそい、抱きかかえていただくことで、アラビアにより親しみを感じていただければと願っています。


次は何を展示されるのでしょか?
「文字の旅シリーズ」の第三弾は「漢字の旅」になる予定ですが、それについてはまだ今のところ何も決まってないという状態です。なお、第一回の「インド系文字の旅」の時と同様、今回の「アラビア文字の旅」展も会期中に展示が少しづつ変わってゆくワーク・イン・プログレスの展覧会として企画されています。いま、準備を進めている展示に「線と展の音響」というメディアアートの展示企画があります。「アラビアのロレンス」や「ペルシャの市場にて」などに代表されるようなオリエンタルでエキゾチックな音楽ではなく、「アラビア文字」の「線」と「点」のかたちが奏でる「音響」をお聞かせするというものです。この展示に使用するプログラムを開発したアーティストから展示許可が得られ次第、会場Bに展示いたしますので、それまで、いましばらくお待ちください。


青いパソコンのようなものは何なのでしょうか?
コーラン学習機です。黄色いボタンを押すと電源がオンになります。キーボードにある数字はコーランの章番号で、キーを押すと、コンピュータがその章を自動的に朗読します。これは本展の実行委員の一人がロンドンのマーケットで買い求めてきたもので、日本円で3,000円くらいで販売されていたものです。なお、使い終わったら赤いボタンを押して、電源をオフにするのを忘れないでくださいね。


私の名前をアラビア語で書いたらどーなるのか。
せっかくパソコンがあるのだから変換ソフトでも入ってたら良いのでは。
調べてみると、インターネット上に「かな・アラビア文字変換」(http://satosi.net/~moji/php/kana_arb.php) というサイトがあり、そこで日本語のかな文字をアラビア文字に変換することができるようですので、おためしください。


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